現状分析を行なう前に理解しておくべきこと

2017.10.20/マーケティング

戦略を策定するためには、現状分析を行なう必要がある。
情報収集をしただけで現状分析ができたと勘違いしてしまう人が多い。

現状分析の目的はあくまでも戦略を策定するために、現状の問題点・課題を炙り出すことにあります。
その為、単に情報を収集することが目的でもなければ「これは問題ですね!」と話し合うことが目的でもない。

現状分析について理解し、本来の現状分析を行えるようになりましょう!

そもそも「現状分析」とは?

情報収集は現状分析を行なう上での「手段」でしかありません。
情報収集をしたからといって、それで分析ができるわけでもありません。

収集された情報の定義を理解し、問題点を炙り出し、
問題を解決するための仮説につなげてることができて現状分析といえます。 

こんな状況に陥っていませんか?

▼分析にならない状況

・何の目的でなにを明らかにしたいのかが、腑に落ちていない状態で情報収集を行なってしまっている。
・上記の状態のため、情報収集の対象に抜け漏れ、偏りがでることがしばしば…
・分析とは何かがわかっていないので情報を集めただけで終わっている。

上記の問題に陥ってしまう原因を考えてみましょう。

よくある「分析」にならない2つの原因

原因1:フレームワークを活用しないから情報整理ができない

フレームワークとは情報を整理する「枠組み」。だが、もう一つ重要な意味愛として「抜けもれなく、重複なく、網羅的に」情報を整理するという意味があります。フレームワークを活用していないため、本来であれば検討すべき事象に抜け漏れ・重複が発生し、分析を行なう前に現状の整理ができない状態になってしまう。
代表的なフレームワーク:3C分析、SWOT分析 

原因2:仮説を持っていないため、収集すべき情報がわからない

仮説を持たずに情報収集をおこなってしまうと、大量のデータをがむしゃらに収集することになってしまう。仮説を持つとは、情報を収集する前に「おそらく今回の情報収集で出てくる結論はこうなる」と考えることです。仮説が持てると「この仮説が正しいかどうか証明するためには、この情報を収集しなければならない」と情報収集の対象を絞り込むことができます。

なんの仮説もなく使えないデータをがむしゃらに集めるのは時間のムダでしかないです。

但し、仮説と決めつけは違います。仮説は根拠があった上での考えになるが、自分の感覚で行なう決めつけをしてしまった時点で破綻するため注意が必要です。

現状分析に利用できる2つの代表的なフレームワーク

3C分析

3C分析とは、外部環境や競合の状況から事業の KSF(Key Success Factors:成功要因)を導き、事業を成功に導くために用いられます。マーケティングの本質は、いくつも存在する施策の中から最も効率的なやり方に資源を集中投下し、顧客に選ばれ続け売上や目的を達成できる仕組みを作り上げることです。

市場分析のポイント

​自社の製品やサービスを、購買する意志や能力のある潜在顧客を把握する。具体的には、市場規模(潜在顧客の数、地域構成など)や市場の成長性、ニーズ、購買決定プロセス、購買決定者といった観点で分析する。

競合分析のポイント

​競争状況や競争相手について把握する。特に、競争相手からいかに市場を奪うか(守るか)という視点を持ちながら、寡占度(競合の数)、参入障壁、競合の戦略、経営資源や構造上の強みと弱み(営業人員数、生産能力など)、競合のパフォーマンス(売上高、市場シェア、利益、顧客数など)に着目する。競合との比較は、自社の相対的な強みや弱みの抽出にも役立つ。

​自社分析のポイント

自社の経営資源や企業活動について、定性的・定量的に把握する。具体的には、売上高、市場シェア、収益性、ブランドイメージ、技術力、組織スキル、人的資源などを分析する。また、付加価値を生み出す機能や、コスト・ドライバーにも着目する。

SWOT分析

SWOT分析とは、KSF(Key Success Factors:成功要因)や事業機会を導き出すため、自社の外部環境と内部環境を整理するフレームワークになります。具体的には・・・

①マクロ環境や業界・市場環境を分析し、市場における「機会(opportunities)」と「脅威(threats)」を整理する。この時、何が事業のKSF(Key Success Factors:成功要因)なのかを明らかにしていきます。

②自社と競合を分析して、自社の「強み(strengths)」と「弱み(weakness)」を整理し、企業の中核となる強みを明らかにする。

③市場における機会と脅威に対して、自社の強みを活かし、弱みを克服するにはどうすればよいかを考え、自社にとっての機会を見つけ出します。

事業のKSF(Key Success Factors:成功要因)と自社の強みが適合していない場合、KSF(Key Success Factors:成功要因)そのものを変えるために積極的に外部環境に働きかけて業界のルールを変えるか、自社の強みの構造を変革してKSFとのフィットを高める努力が必要となります。

まとめ

現状分析を行う前に、上記で紹介した内容・フレームワークをひととおり理解してから行なってみてください。
フレームワークについては、改めて1つ1つの利用方法をまとめた記事をこのサイトで公開していく予定です。
では!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<<追記>>3C分析について下記の記事にまとめました!
▶ 3C分析を行なう目的と順番
▶ SWOT分析を行なう目的と順番