市場をみる上で必要な視点 〜鳥・虫・魚の目 & コウモリの目〜

2017.10.08/マーケティング

ビジネスを行なう中で求められる「視点」としては、多くの角度からモノごとを捉えることのできる視点です。
1つの固定した位置からモノをみずに、多面的な視点でみる習慣が大切になります。
いろいろな角度や立ち位置を替えてみて、新しい切り口を探してみましょう!

「市場をみる」とは、それを形成する人、コト(事象)、モノ、場やコミュニティの動きを見ることでもあります。特にものづくりが生活者主導と言われてるいま、「人をどこまで理解しているか」が問われます。

また、「人の喜怒哀楽はどういったタイミングにどのような現場でおこるのか」を想像的に見ていくことが次に繋がる手がかりとなります。

見るにもいろいろある

▼「見る」「視る」
外見を視ること。
パッと見て分かること、表面を注視するという意味。
 
▼「観る」
過去の経緯や経年変化を観ること。
表面に見えているものではなく、時間の変化を加えてみる。
 
▼「察る」
更に内面に踏み込んで、その背景や意図、目的をつかもうとすること。
裏にある背景が理解できてこそ、本当に見ることができるということ。
 
この3つが揃うことにより「診る」ことができるようになる。

▼「診る」
ポイントを押さえて判断し、アクションにつなげること。

まずパッと表面的な変化や動きをつかむ「見る、視る」、そこから時系列の変化や動きをつかむ「観る」、その背景や内面にある仕組みや目的を推察する「察る」の三つの観点が含まれています。

見えれば気づく、わかる。
気づいてわかれば動く、動けば変わる。
 
行動を伴わない認識や知識、情報は役に立ちません。
実体を「見・視」「観」「察」して診断、すなわち「診て判断」して的確な対策を打つことができるようになります。 

鳥の目〜広い視点〜

高いところから広い視野で物事の全体を視ることによって、全体像を把握する目といえます。
「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、ここで視るのは森になりますね。

鳥の目の用途は大局観、全体像の把握といった、全体を俯瞰して、客観的な視点で大きな流れをつかむときに意識することです。 

虫の目〜絞り込んだ視点〜

「木を見て森を見ず」ということわざを挙げましたがもちろん細部にこだわることも重要です。 
虫は小さな生き物です。
地面に近い低い位置にいるからこそ、上からは見えなかったことが見えてくるようになります。
「鳥の目」という広い視点に対し、細部に注目するミクロな視点として「虫の目」があります。
 
戦略思考を求められる人間は大局観を持つ必要がありますが、自分のビジネスが実際にどのように動いているのか把握しておかなければなりません。

すなわち現場を知る目です。
 
現場で目の前の課題に注力し、その場や人(市場・顧客)に密着して観察するため、具体的な戦術やヒントをみつけるのに適しています。
マーケティングは常に顧客に目を向けるため、現場をみる「虫の目」は欠かせない視点です。 

魚の目〜動態視点〜

3つ目の視点が「魚の目」です。
魚は、目には見えない川の流れを体全体で感じ取っています。
「魚の目」とは、物事の流れや変化といった「動き」を捉える視点になります。
 
価値観や消費者の意識もコロコロと移り変わり、製品ライフサイクルの短命化が進んでいます。
最近まで流行っていたものがもう忘れ去られてたりなんてことはよくありますよね。
その為、鳥の目や虫の目だけでなく、魚の目のように動態視力を使って物事の動きを把握する必要があります。
 
市場にはトレンド(潮流)があり、変化していくことが常です。
そして、ビジネスではスピードが重要視されており、時代の変化に対応していけるかどうかで、命運が分かれます。

ビジネスの環境がどう変化しているのか見極めるため、また変化の兆しを見逃さないためにも「魚の目」という「動き」を捉える視点が欠かせません。 

コウモリの目〜反対視点〜

コウモリの目は、コウモリが逆さにつり下がっていることから、物事を反対視点から見たり、普通の見方に捉われず想像を膨らませ、固定観念を崩して見る目の視点を意味します。

業界の習わしに縛られていませんか?
誰も読まないような資料をつくっていませんか?

「その仕事は何故するのですか?」という問いに、「昔からやっていることだから」としか答えられないようなら一度疑ってみることです。
そういう視点から、仕事の無理無駄が省けます。

このプロジェクトは何を目的としているのかを常に考えてください。
本来、他の成果を得るための手段である行動について、その行動をとること自体が目的となってしまわないようにしましょう。 

目を使い分けていこう!

前述までに說明してきた虫の目、鳥の目、魚の目、コウモリの目でいろんな角度からみてください。
1つの目が、飛び抜けて視力がよくても問題を解決することは難しいです。

時代がどちらに流れているか、これからどう流れていきそうか「魚の目」を意識しながら、細部にこだわらず、全体像をとらえる「鳥の目」、
普段見過ごしている細部に注目する(虫の目)をいったりきたりしながら考えてみてください。

その際に「手段の目的化」が発生しないように注意してくださいね。(コウモリの目)